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温水洗浄に、
4万円払う
価値はあるか。

2年9ヶ月使って分かった、
「本当に効く2つ」。

2026.09.04 | ゆうや

家電量販店で、328,680円と358,380円のドラム式洗濯機の値札を見比べて腕を組む棒人間のイラスト
売り場で、毎回これになります。

「縦型のほうが洗浄力あるから」

ドラム式洗濯機への偏見があるお客さんに言う、決まり文句があります。

「ドラムには温水がありますから、、、」

実際、ワイシャツの袖についた皮脂汚れは40℃でめちゃくちゃ落ちるし、60℃なんて除菌もできちゃう。

でも、ただでさえ高いドラム式洗濯機のグレードを上げてまで温水機能って必要なの、、、?

温水機能がついているドラム式洗濯機を使っている僕が、結論を出していきたいと思います。

まず、いくら違うのか

温水がついている機種と、ついていない機種で、値段はいくら違うのか。大手3社で「温水の有無で分かれるモデル」を並べてみました。

メーカー温水あり温水なし差額
パナソニックNA-LX127F
358,380円
NA-LX125F
328,680円
29,700円
東芝TW-137XH6
382,800円
TW-137XM6
338,800円
44,000円
日立BD-SX130P
370,000円
BD-SVX120P
324,720円
45,280円

※2026年9月時点。パナソニックはメーカー指定価格、東芝・日立は価格.com最安値。

だいたい4万円です。

4万円を払う価値、あるんでしょうか。

結論:4万円の価値は、あります

ただし、その価値はカタログの一番目立つところに書いてある機能にはありません。僕が2年9ヶ月使って「これのために払ってる」と思えたのは、この2つだけでした。

何のためいつ効くか
約15℃洗濯モード衣類のため冬のあいだ、毎日
約60℃槽カビクリーン機械のため月に1回

そして、この2つには共通点があります。あとで書きますが、これが一番大事です。

正直、40℃も60℃も
ほとんど使っていません

カタログで一番目立つ2つの話です。

洗濯機の温度メニューが表示されているのに、顔をそむけている棒人間のイラスト
目をそらしています。

温水って、実際ほとんど使わないんですよね。

シンプルに、ドラム式洗濯機の洗浄能力が高いんです。 使ってみると、世間のドラム式洗濯機の洗浄能力がいかに過小評価されているのか実感できます。

“40℃”を使うのは、BBクリームの汚れが落ちていないときくらい。年に何回かです。それも「あ、落ちてないな」と気づいたときだけ。

60℃は「一番強い」ではなく「除菌専用」

60℃の除菌コースは、基本使いません。60℃という数字を見ると「一番強力なモード」に見えますが、これは除菌のためのモードです。菌を減らすための温度であって、汚れをよく落とすための温度ではない。実際、パナソニックも東芝も、60℃のコース名は「除菌」です。

(ちなみに、洗剤に入っている酵素は60℃前後で働かなくなります。だから60℃は「酵素で強力に洗う」モードではありません。ここ、勘違いしてる人が多いと思います。僕もそうでした)

温度は「強さの目盛り」ではなく、「用途の切り替え」です 15℃ 冬に 洗浄力を保つ 30〜40℃ 皮脂が溶ける 酵素の活性ピーク 50℃ 牛脂などの 油が溶ける 60℃ 除菌 ※酵素は失活 つまり、60℃は「一番強いモード」ではありません。 酵素はこの温度で働かなくなるので、汚れ落としのための温度ではない。 高いほど良い、ではない。用途が違うだけ。
温度は、強さの目盛りじゃない。

つまり、カタログで一番目立つ2つを、僕はほとんど使っていない。

じゃあ4万円は無駄やん。

40℃単体に4万円の価値があるかというと、正直ないと思います。年に数回ですから。

ただ、20万円以上払う買い物で、洗浄力に不安を感じながら選ぶくらいなら、あったほうが気は楽です。使わなくても「いざとなれば温水で洗える」と思えること自体に、いくらか払っている感覚はあります。

これは機能への対価というより、安心料ですね。人によって評価が分かれるところだと思います。

看板その1:
冬の15℃

花形ではなく、裏方です。

冬の洗面所で蛇口の水に手を触れ、冷たさに驚いている棒人間のイラスト
冬の水道水は、10℃を下回る日もあります。

はい、注目。ここからが本題です。

約15℃洗濯モード。 これが1つ目の看板です。

たぶん、忘れられてますよね?

現場で評価されるのは、花形40℃でも60℃でもなく、裏方15℃なんです。

なぜ15℃なのか

15℃は、ぬるくも、暖かくもない温度。なぜ選ばれたのが15℃なのか?

冬の洗浄力を保つ温度だからです。

冬の水道水は冷たく、地域や日によっては10℃を下回ります。

そして洗剤は、水温が低いと本来の力を出せません。洗剤メーカーが想定している温度より冷たい水で洗っていると、同じ洗剤・同じコースでも、夏より汚れが落ちていない。

15℃まで温めるというのは、夏と同じ条件に戻すということです。

攻めの機能ではなく、“守りの機能”。これが15℃の正体だと思っています。

40℃や60℃は「特別に汚れたものを、特別なやり方で洗う」機能です。年に数回。一方15℃は、11月から3月まで、毎日の洗濯を底上げする。

効く日数が、まったく違います。

3社とも、自動で温めてくれます

しかも便利なのは、一度設定すれば自動で作動することです。

メーカー作動条件追加コスト
パナソニック水温15℃以下で自動所要時間 最大20分増
日立水温13℃以下で自動追加218Wh・19分
東芝自動なし(毎回選ぶ)

パナソニックと日立は、冬になったら勝手に温め始めて、春になったら勝手にやめます。設定するのは一度だけ。

(シャープは構造が違って、温水専用ヒーターを持っていません。乾燥用ヒーターの温風で間接的に温める方式で、上限も35℃前後。60℃除菌も冬の自動もありません。手を抜いているわけではなく、専用ヒーターを積まないことがランニングコストの安さに効いている面があります)

看板その2:
60℃槽カビクリーン

衣類ではなく、機械のための温水。

洗濯槽クリーナーの容器を持って洗濯機を見ている棒人間のイラスト
これ、要らなくなるかもしれません。

2つ目の看板は、衣類を洗う機能ではありません。

約60℃槽カビクリーンコース。 洗濯槽のカビ対策です。

温水で洗濯槽を洗濯するんです(?)

約60℃の温水は、黒カビの発生を抑えます。縦型でも、長年使ってると洗濯槽からきついにおいするでしょ? あれです。

この60℃コース、何がいいかというと、洗浄剤を買わなくていい。

洗濯槽クリーナーって、1本1,500〜1,800円くらいします。それを月1回買っていたら、年間で2万円近い。しかも買いに行くのを忘れる。

このコースは、ボタンを押すだけで終わります。

僕の実測:2年弱、液剤を使いませんでした

僕は月に1回(たまに忘れますが)、この60℃をやっています。

結果どうなったか。

今まで異臭がしたことは、たぶん一度もありません。

そもそも洗濯槽クリーナーを買いに行くのが面倒で、買っていませんでした。初めて使ったのは、購入から2年弱してから。 それも母が勝手に買ってきたからです。

つまり2年弱、液剤なしで済んでいたということです。

これ結構すごい話だと思っていて、ドラム式で一番よく聞く不満が「臭い」なんですよね。それが月1回のボタン操作だけで、2年弱起きなかった。

逆のパターンも見ています

一方で、同じLXシリーズを使っている母は、購入から8ヶ月ほどで槽が臭くなりました。乾燥フィルターも掃除していたのに、です。

結局、洗濯槽クリーナーを買ってきて、11時間かけて槽洗浄することになりました。それでニオイは消えましたが、11時間です。11時間もあったら、7回以上洗濯乾燥できます。

同じ「洗濯槽のニオイ対策」でも、始めるタイミングで別物になります 予防ルート(カビが出る前) 60℃槽カビクリーン 月1回・ボタンひとつ 液剤 0円 所要時間 短い 治療ルート(カビが出てから) 液剤を買って槽洗浄 1本 1,500〜1,800円 買いに行く手間つき 所要時間 最大11時間 60℃は「予防」はできても「治療」はできません。 すでに出た黒カビとニオイは落とせない(パナソニック公式)。順番があります。
同じ悩みでも、始めるタイミングで手間が変わります。

親子で同じシリーズを使っていて、片方は予防していて、片方はしていなかった。 そして結果が分かれました。

サンプル2台なので「これが証明だ」とは言いません。でも、予防と治療では手間がまるで違う、というのは間違いないと思います。

ただし、限界もあります

このコースは、予防はできても治療はできません。

パナソニックの公式サイトにこう書いてあります。約3年相当のカビの発生状況(当社加速試験)より、使用条件や環境により効果は異なり、発生した黒カビや洗剤カス、洗濯槽内のニオイは除去できないため、気になる場合は槽洗浄をおすすめします、と。

つまり——

母のパターンが後者です。始めるタイミングが全部、ということですね。

だから「もう臭い」という人には効きません。まず液剤で1回リセットして、そこから60℃で維持する。順番があります。

※母に約60℃槽カビクリーンコースを伝えなかったのは、忘れていただけです。許して、、、

2つの看板の、
共通点

ここが一番大事です。

湯気で曇ったドラム式洗濯機のガラス扉。内側に水滴がつき、奥に洗濯物が見える
温水は、外からは見えません。※写真はイメージです

さて、ここまで2つ紹介しました。冬の15℃と、月1回の60℃。

この2つ、共通点があります。

洗濯機の設定メニューに「オフ」が並んでいるのを見て固まる棒人間のイラスト
デジカメのディスプレイかよ

どちらも、お買い上げ時はオフ設定です。

つまり、買ってきて何もしなければ、どちらも動きません。

4万円払って手に入れた機能のうち、いちばん効く2つが、箱から出したままでは眠っている。

ドラム式って、そもそも何のために買うんでしたっけ?

ドラム式洗濯機って、「令和の三種の神器」なんて言われ方をします。食洗機、ロボット掃除機と並んで。

共通しているのは、手間をなくすために買う機械だということです。干す手間をなくす。畳む前の工程を減らす。そのために20万も30万も払っている。

なのに——その手間をなくす機能が、設定されていないせいで動いていない。

どちらも、あとで手間として返ってきます。洗濯物を干す手間をなくすことがドラム式洗濯機の売りのはずなのに、手間がかかるのは本末転倒ですよね?

4万円は、40℃や60℃の除菌に払うお金ではありません。冬の毎日と、将来の11時間に払うお金です。僕はそう思っています。

まとめ:買ったら、まず設定してください

洗面所の床に開いて置かれた洗濯機の取扱説明書と、奥にドラム式洗濯機
ここに全部書いてあります。※写真はイメージです

長くなったのでまとめます。温水機能に4万円の価値は、あります。ただし、

温度評価
40℃年に数回。単体では4万円の理由にならない(安心料としてはアリ)
60℃除菌ほとんど使わない
15℃冬のあいだ毎日効く。これが本命
60℃槽カビクリーン液剤代と11時間を節約できる。これも本命

そして繰り返しますが、本命の2つは初期設定でオフです。

もしあなたが温水付きの機種を持っていて、まだ設定していないなら——説明書、開いてみてください。

たぶん、5分もかからないと思います。僕もそれくらいでした。

それではまた。

※温度・容量制限・所要時間は各社公式サイトおよびカタログの記載(2026年9月時点)に基づきます。機種により搭載機能や名称は異なります。お使いの機種の取扱説明書をご確認ください。
※温水コースには容量制限があります(例:パナソニック 約40℃おまかせは上限4.5kg、東芝 60℃除菌は3kgまで)。12kg洗える機械でも、温水では少量になります。
※「約60℃槽カビクリーン」の効果はパナソニックの加速試験によるもので、使用条件や環境により異なります。すでに発生した黒カビ・ニオイは除去できません。
※本記事の使用実感は個人のものです。効果を保証するものではありません。
※価格は2026年9月時点。パナソニックはメーカー指定価格、東芝・日立は価格.com最安値です。差額には温水以外の機能差(自動投入・表示パネル・容量など)が含まれます。

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