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2年9ヶ月使って分かった、
「本当に効く2つ」。
「縦型のほうが洗浄力あるから」
ドラム式洗濯機への偏見があるお客さんに言う、決まり文句があります。
「ドラムには温水がありますから、、、」
実際、ワイシャツの袖についた皮脂汚れは40℃でめちゃくちゃ落ちるし、60℃なんて除菌もできちゃう。
でも、ただでさえ高いドラム式洗濯機のグレードを上げてまで温水機能って必要なの、、、?
温水機能がついているドラム式洗濯機を使っている僕が、結論を出していきたいと思います。
温水がついている機種と、ついていない機種で、値段はいくら違うのか。大手3社で「温水の有無で分かれるモデル」を並べてみました。
| メーカー | 温水あり | 温水なし | 差額 |
|---|---|---|---|
| パナソニック | NA-LX127F 358,380円 | NA-LX125F 328,680円 | 29,700円 |
| 東芝 | TW-137XH6 382,800円 | TW-137XM6 338,800円 | 44,000円 |
| 日立 | BD-SX130P 370,000円 | BD-SVX120P 324,720円 | 45,280円 |
※2026年9月時点。パナソニックはメーカー指定価格、東芝・日立は価格.com最安値。
だいたい4万円です。
4万円を払う価値、あるんでしょうか。
ただし、その価値はカタログの一番目立つところに書いてある機能にはありません。僕が2年9ヶ月使って「これのために払ってる」と思えたのは、この2つだけでした。
| 何のため | いつ効くか | |
|---|---|---|
| 約15℃洗濯モード | 衣類のため | 冬のあいだ、毎日 |
| 約60℃槽カビクリーン | 機械のため | 月に1回 |
そして、この2つには共通点があります。あとで書きますが、これが一番大事です。
カタログで一番目立つ2つの話です。
温水って、実際ほとんど使わないんですよね。
シンプルに、ドラム式洗濯機の洗浄能力が高いんです。 使ってみると、世間のドラム式洗濯機の洗浄能力がいかに過小評価されているのか実感できます。
“40℃”を使うのは、BBクリームの汚れが落ちていないときくらい。年に何回かです。それも「あ、落ちてないな」と気づいたときだけ。
60℃の除菌コースは、基本使いません。60℃という数字を見ると「一番強力なモード」に見えますが、これは除菌のためのモードです。菌を減らすための温度であって、汚れをよく落とすための温度ではない。実際、パナソニックも東芝も、60℃のコース名は「除菌」です。
(ちなみに、洗剤に入っている酵素は60℃前後で働かなくなります。だから60℃は「酵素で強力に洗う」モードではありません。ここ、勘違いしてる人が多いと思います。僕もそうでした)
つまり、カタログで一番目立つ2つを、僕はほとんど使っていない。
じゃあ4万円は無駄やん。
40℃単体に4万円の価値があるかというと、正直ないと思います。年に数回ですから。
ただ、20万円以上払う買い物で、洗浄力に不安を感じながら選ぶくらいなら、あったほうが気は楽です。使わなくても「いざとなれば温水で洗える」と思えること自体に、いくらか払っている感覚はあります。
これは機能への対価というより、安心料ですね。人によって評価が分かれるところだと思います。
花形ではなく、裏方です。
はい、注目。ここからが本題です。
約15℃洗濯モード。 これが1つ目の看板です。
たぶん、忘れられてますよね?
現場で評価されるのは、花形40℃でも60℃でもなく、裏方15℃なんです。
15℃は、ぬるくも、暖かくもない温度。なぜ選ばれたのが15℃なのか?
冬の洗浄力を保つ温度だからです。
冬の水道水は冷たく、地域や日によっては10℃を下回ります。
そして洗剤は、水温が低いと本来の力を出せません。洗剤メーカーが想定している温度より冷たい水で洗っていると、同じ洗剤・同じコースでも、夏より汚れが落ちていない。
15℃まで温めるというのは、夏と同じ条件に戻すということです。
攻めの機能ではなく、“守りの機能”。これが15℃の正体だと思っています。
40℃や60℃は「特別に汚れたものを、特別なやり方で洗う」機能です。年に数回。一方15℃は、11月から3月まで、毎日の洗濯を底上げする。
効く日数が、まったく違います。
しかも便利なのは、一度設定すれば自動で作動することです。
| メーカー | 作動条件 | 追加コスト |
|---|---|---|
| パナソニック | 水温15℃以下で自動 | 所要時間 最大20分増 |
| 日立 | 水温13℃以下で自動 | 追加218Wh・19分 |
| 東芝 | 自動なし(毎回選ぶ) | — |
パナソニックと日立は、冬になったら勝手に温め始めて、春になったら勝手にやめます。設定するのは一度だけ。
(シャープは構造が違って、温水専用ヒーターを持っていません。乾燥用ヒーターの温風で間接的に温める方式で、上限も35℃前後。60℃除菌も冬の自動もありません。手を抜いているわけではなく、専用ヒーターを積まないことがランニングコストの安さに効いている面があります)
衣類ではなく、機械のための温水。
2つ目の看板は、衣類を洗う機能ではありません。
約60℃槽カビクリーンコース。 洗濯槽のカビ対策です。
温水で洗濯槽を洗濯するんです(?)
約60℃の温水は、黒カビの発生を抑えます。縦型でも、長年使ってると洗濯槽からきついにおいするでしょ? あれです。
この60℃コース、何がいいかというと、洗浄剤を買わなくていい。
洗濯槽クリーナーって、1本1,500〜1,800円くらいします。それを月1回買っていたら、年間で2万円近い。しかも買いに行くのを忘れる。
このコースは、ボタンを押すだけで終わります。
僕は月に1回(たまに忘れますが)、この60℃をやっています。
結果どうなったか。
今まで異臭がしたことは、たぶん一度もありません。
そもそも洗濯槽クリーナーを買いに行くのが面倒で、買っていませんでした。初めて使ったのは、購入から2年弱してから。 それも母が勝手に買ってきたからです。
つまり2年弱、液剤なしで済んでいたということです。
これ結構すごい話だと思っていて、ドラム式で一番よく聞く不満が「臭い」なんですよね。それが月1回のボタン操作だけで、2年弱起きなかった。
一方で、同じLXシリーズを使っている母は、購入から8ヶ月ほどで槽が臭くなりました。乾燥フィルターも掃除していたのに、です。
結局、洗濯槽クリーナーを買ってきて、11時間かけて槽洗浄することになりました。それでニオイは消えましたが、11時間です。11時間もあったら、7回以上洗濯乾燥できます。
親子で同じシリーズを使っていて、片方は予防していて、片方はしていなかった。 そして結果が分かれました。
サンプル2台なので「これが証明だ」とは言いません。でも、予防と治療では手間がまるで違う、というのは間違いないと思います。
このコースは、予防はできても治療はできません。
パナソニックの公式サイトにこう書いてあります。約3年相当のカビの発生状況(当社加速試験)より、使用条件や環境により効果は異なり、発生した黒カビや洗剤カス、洗濯槽内のニオイは除去できないため、気になる場合は槽洗浄をおすすめします、と。
つまり——
母のパターンが後者です。始めるタイミングが全部、ということですね。
だから「もう臭い」という人には効きません。まず液剤で1回リセットして、そこから60℃で維持する。順番があります。
※母に約60℃槽カビクリーンコースを伝えなかったのは、忘れていただけです。許して、、、
ここが一番大事です。
さて、ここまで2つ紹介しました。冬の15℃と、月1回の60℃。
この2つ、共通点があります。
どちらも、お買い上げ時はオフ設定です。
つまり、買ってきて何もしなければ、どちらも動きません。
4万円払って手に入れた機能のうち、いちばん効く2つが、箱から出したままでは眠っている。
ドラム式洗濯機って、「令和の三種の神器」なんて言われ方をします。食洗機、ロボット掃除機と並んで。
共通しているのは、手間をなくすために買う機械だということです。干す手間をなくす。畳む前の工程を減らす。そのために20万も30万も払っている。
なのに——その手間をなくす機能が、設定されていないせいで動いていない。
どちらも、あとで手間として返ってきます。洗濯物を干す手間をなくすことがドラム式洗濯機の売りのはずなのに、手間がかかるのは本末転倒ですよね?
4万円は、40℃や60℃の除菌に払うお金ではありません。冬の毎日と、将来の11時間に払うお金です。僕はそう思っています。
長くなったのでまとめます。温水機能に4万円の価値は、あります。ただし、
| 温度 | 評価 |
|---|---|
| 40℃ | 年に数回。単体では4万円の理由にならない(安心料としてはアリ) |
| 60℃除菌 | ほとんど使わない |
| 15℃ | 冬のあいだ毎日効く。これが本命 |
| 60℃槽カビクリーン | 液剤代と11時間を節約できる。これも本命 |
そして繰り返しますが、本命の2つは初期設定でオフです。
もしあなたが温水付きの機種を持っていて、まだ設定していないなら——説明書、開いてみてください。
たぶん、5分もかからないと思います。僕もそれくらいでした。
それではまた。
※温度・容量制限・所要時間は各社公式サイトおよびカタログの記載(2026年9月時点)に基づきます。機種により搭載機能や名称は異なります。お使いの機種の取扱説明書をご確認ください。
※温水コースには容量制限があります(例:パナソニック 約40℃おまかせは上限4.5kg、東芝 60℃除菌は3kgまで)。12kg洗える機械でも、温水では少量になります。
※「約60℃槽カビクリーン」の効果はパナソニックの加速試験によるもので、使用条件や環境により異なります。すでに発生した黒カビ・ニオイは除去できません。
※本記事の使用実感は個人のものです。効果を保証するものではありません。
※価格は2026年9月時点。パナソニックはメーカー指定価格、東芝・日立は価格.com最安値です。差額には温水以外の機能差(自動投入・表示パネル・容量など)が含まれます。
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